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クオンは、買取相場を語る前に 来歴そのものが他のどの大型トラックとも違う 一台です。前身は日産ディーゼル工業 ── 2010年にUDトラックスへ社名を変え、資本も日産傘下からボルボ(2007年に約96%取得)へ、そして 2021年4月にはいすゞの傘下 へと渡ってきました。日本の大型トラックで、これだけ親会社が入れ替わったブランドは他にありません。
技術面のクオンは、もっと尖っています。2004年11月にビッグサムの後継として15年ぶりのフルモデルチェンジで登場した初代クオンは、 世界で初めて大型トラックに尿素SCR触媒を採用 し、平成17年排ガス規制にいち早く適合しました。固有のAMT「 ESCOT 」(現行は12段)を備え、2017年からの2代目では 国産大型トラックで初めて全輪ディスクブレーキを標準化 しています。排ガス・変速・制動のいずれでも「UDが先に手を付けた」装備が並ぶ、技術志向のブランドです。
そして今、クオンとライバルのいすゞギガの関係は転機を迎えています。 2025年春から、単車系の7速MT車などの一部グレードがいすゞギガをベースにしたOEM供給へ切り替わりました。 上位グレードやESCOT搭載の12速AMT車は従来どおりクオンの自社生産が続いており、 自社開発の世代とギガOEMの世代が混在 しています。クオンとギガは別物ですが、いままさに一部で「同じ血」が混じり始めている ── これは中古を見るうえでも知っておきたい変化です。
その素性が、相場にも表れます。相場ナビ編集部が集計した流通中の166台のうち 116台(約7割)が走行50万km超 でしたが、尿素SCR・ESCOT・ディスクブレーキでタフに走り切る設計と、長距離・輸出での評価の高さゆえに、過走行帯でも中央値439万円が残っています。この記事では、truck-bank.net 掲載の 166台分 の実価格を独自集計し、クオンの年式・走行距離・架装別の相場を、編集部の視点を添えてまとめます(取得日 2026-06-14)。掲載価格は売り手の希望価格で、買取価格はそこから業者の費用・利益を差し引いた水準が目安です。
UDクオンの中古相場(実データ 166台)
truck-bank.net の中古クオンの掲載価格を集計した結果は次のとおりです。
| 区分 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 166台 | 143万円 | 462万円 | 1,877万円 |
中央値は 462万円 。平均は508万円と中央値より高く、分布は上に振れています。これは高年式や人気架装(クレーン等)が一部を押し上げているためで、買取価格はこの掲載価格から業者の費用・利益を引いた水準(編集部試算で概ね 277万〜370万円 )が目安です。ただし後述のとおり、輸出での評価が高いクオンでは 売り先が輸出ルートを持つかどうか で実額が大きく動きます。また同じ「クオン」でも、自社開発の世代か、2025年以降の一部ギガOEM世代かでグレードの性格が分かれる過渡期にある点も、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
年式別の買取相場
データ上、2011年式(中央値358万円)と2022年式(中央値589万円)では約232万円の差があり、平均すると年式が1年新しいごとにおおむね21万円前後ずつ高くなる傾向が読み取れます(単年ごとの増減は架装やサンプル数の影響で前後します)。乗用車ほど年式で急落しないのは、後述の過走行帯が広く下支えしているためです。
| 年式 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 6台 | 559万円 | 589万円 | 898万円 |
| 2021年 | 6台 | 548万円 | 649万円 | 1,540万円 |
| 2020年 | 18台 | 407万円 | 638万円 | 1,100万円 |
| 2019年 | 26台 | 329万円 | 515万円 | 880万円 |
| 2018年 | 23台 | 231万円 | 449万円 | 878万円 |
| 2017年 | 20台 | 198万円 | 361万円 | 691万円 |
| 2016年 | 16台 | 238万円 | 317万円 | 502万円 |
| 2015年 | 15台 | 216万円 | 369万円 | 1,021万円 |
| 2014年 | 11台 | 196万円 | 330万円 | 488万円 |
| 2013年 | 8台 | 143万円 | 389万円 | 539万円 |
| 2012年 | 5台 | 320万円 | 443万円 | 638万円 |
| 2011年 | 5台 | 218万円 | 358万円 | 834万円 |
走行距離別の買取相場 — クオン相場の核心
クオンの相場を理解する鍵はここです。集計した166台のうち 116台(約7割)が「50万km〜」に集中 し、その中央値は439万円・上限は990万円でした。50万km超が7割というのは、大型トラックの中でも過走行寄りの構成で、 クオンの中古は「過走行が標準仕様」 だと言えます。それでも中央値439万円が残るのは、冒頭で触れたクオンの素性 ── 大型初の尿素SCR、自社AMTのESCOT、2代目の全輪ディスクブレーキ標準化といった、長距離をタフに走り切る設計が効いているからです。 耐久性で評価されるクオンは過走行でも海外で「丈夫な現役車両」として需要があり 、その輸出需要(長距離稼働・部品取り・現地再生)が過走行帯の底を支えています。一般の乗用車なら50万km超はほぼ値がつきませんが、クオンは過走行こそが主戦場です。
| 走行距離 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| 10〜30万km | 14台 | 330万円 | 691万円 | 1,877万円 |
| 30〜50万km | 35台 | 198万円 | 489万円 | 1,021万円 |
| 50万km〜 | 116台 | 143万円 | 439万円 | 990万円 |
走行が進むほど中央値は下がりますが(10〜30万kmの691万円→50万km〜の439万円)、 底は抜けず、レンジ上限は過走行帯でも990万円 と高めです。過走行のクオンを「もう値がつかない」と決めつけるのは、この構造を知らない人ほど陥りやすい誤解です。
ボディ形状(架装)別の買取相場
クオンは架装(ボディ)によって需要も価格も大きく変わります。長距離輸送に使われ、特装車ほど架装自体に価値が乗ります。形状別の相場は次のとおりです。
| ボディ形状 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| アルミウィング | 57台 | 242万円 | 495万円 | 1,540万円 |
| トラクタ | 42台 | 198万円 | 405万円 | 1,650万円 |
| 冷凍バン | 16台 | 289万円 | 448万円 | 998万円 |
| 平アルミブロック | 11台 | 143万円 | 306万円 | 798万円 |
| ダンプ | 8台 | 298万円 | 438万円 | 1,100万円 |
| クレーン | 8台 | 361万円 | 559万円 | 1,021万円 |
| 深ダンプ | 7台 | 330万円 | 443万円 | 685万円 |
| 冷凍ウィング | 5台 | 298万円 | 489万円 | 1,877万円 |
架装別では「クレーン」が中央値559万円と最も高く、「平アルミブロック」は306万円と低めでした。その差は 約1.8倍 。クレーン・ダンプ・高所作業車などの特装車は架装そのものに価値が乗るため、同じ年式・走行距離でも高値がつきやすい一方、平アルミブロックのような汎用架装は流通台数が多く価格が抑えられます。 お持ちのクオンの架装は、過走行が主流の本車種では走行距離以上に査定額を左右することがあります。
年式×走行距離で見る相場(クロス集計)
年式と走行距離は単独でなく 掛け合わせ で効きます。下表は年式帯×走行距離帯ごとの中央値です。自分のクオンに近いマスを見ると、より実態に近い目安がつかめます。
| 年式\走行距離 | 〜10万km | 10〜30万km | 30万km〜 |
|---|---|---|---|
| 新しめ(2018年〜) | — | 714万円 (9台) |
515万円 (71台) |
| やや古(2013-2017) | — | 482万円 (3台) |
340万円 (67台) |
| 古(〜2012) | — | — | 438万円 (13台) |
表を見ると、台数のほとんどが右側(30万km〜)に固まっているのが分かります — クオンは年式を問わず過走行で流通する車種だからです。同じクオンでも「新しめ・10〜30万km」は中央値714万円、「やや古・30万km〜」は340万円と条件で約2.1倍の開きがありますが、注目は左下と右下 — 古い×過走行(〜2012・30万km〜)でも438万円が残る こと。底が抜けないのが、長距離・輸出に強いクオンの特徴です。
実際の掲載例(中古クオン)
価格帯の異なる実例を抜粋しました(truck-bank.net掲載・取得日2026-06-14)。年式・走行・架装の組み合わせで価格がどう動くかの参考にしてください。走行60万〜88万kmの過走行でも数百万円がついている例が並ぶのが、クオン相場の実態です。
| 年式 | 架装 | 走行距離 | 掲載価格 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | トラクタ | 636,000km | 2,498,000円 |
| 2008年 | 深ダンプ | 430,000km | 3,300,000円 |
| 2017年 | アルミウィング | 886,000km | 4,390,000円 |
| 2019年 | トラクタ | 490,000km | 5,258,000円 |
| 2015年 | クレーン | 606,000km | 6,798,000円 |
| 2020年 | 冷凍バン | 692,000km | 8,800,000円 |
UDクオンを安く売らないための3つのポイント
尿素SCR・ESCOTで耐久に振り、輸出で評価が高い ── そんなクオンの素性をふまえると、損をしないための要点は次の3つに絞れます。
- 自分のクオンが「どの世代・グレードか」を伝える。 クオンは2004年以来の自社開発をベースにしつつ、2025年春からは単車系の7速MT車など一部グレードがいすゞギガのOEMに切り替わり、 自社開発世代とギガOEM世代が混在 しています。上位グレードやESCOT(12段AMT)搭載車は従来どおりクオンの自社生産で、装備も中古での見られ方も違います。査定では年式・型式だけでなく「ESCOT搭載か」「単車かトラクタか」まで正確に伝えると、世代相応の評価がつきやすくなります。加えてクオンは尿素SCRやディスクブレーキなど耐久装備で輸出市場での評価が高く、その価値を理解する業者かどうかでも査定が変わります。
- 輸出ルートを持つ業者に出す。 一般の買取業者は仕入れたクオンを業者間オークションに転売するため、落札・成約手数料(大手USSの例で計約3万円)と中間マージンを引いた額が査定の上限になります。自社で海外へ直接売る販路を持つ業者は、その分を査定額に上乗せできます。過走行50万km超が7割を占めるクオンは、国内再販より輸出が値の出口になりやすく、 この販路の差が特に効きます。 査定を頼むときは「自社輸出・直販ルートがあるか」を確認してください。
- 過走行・不動でも諦めず、円安局面で動く。 走行50万km超でも中央値439万円・上限990万円がつくのがクオンです。耐久装備で評価されるクオンはエンジン・架装が使えれば部品取り・現地再生でも値がつくため、不動車・事故車でもまず輸出/部品系の業者に査定を出す価値があります。さらに日本の中古車輸出は2025年に約171万台で3年連続過去最高、トラック・バス仕向けはUAEが世界1位で、円安は輸出経由で買取価格を押し上げます。1ドル150円超のような円安は売り時のサインになりやすいです。
そして共通の鉄則は 複数社の相見積もり 。1社だけでは販路の差や相場無知につけ込まれます。必要書類や売却の流れ、業者の選び方はトラック買取業者おすすめ比較にまとめています。
よくある質問
Q. UDクオンの買取相場はいくらですか?
A. 2026年6月時点の掲載価格(166台)では中央値462万円・レンジ143万〜1,877万円、平均は508万円です。買取価格の目安は掲載価格から費用・利益を引いた 277万〜370万円 前後ですが、売り先が輸出ルートを持つかで上下します。
Q. 走行50万kmを超えたクオンでも売れますか?
A. 売れます。集計の約7割(116台)が50万km超で、その中央値は439万円・上限990万円。大型初の尿素SCR・ESCOT・全輪ディスクブレーキ(2代目)など耐久に振った素性で、過走行でも海外で「丈夫な現役車両」として需要があり、下げ止まる傾向です。
Q. クオンといすゞギガはOEMで同じ車になったのですか?
A. 全車ではなく一部です。UDは2021年4月にいすゞ傘下となり、2025年春から単車系の7速MT車など一部グレードがギガベースのOEMに切り替わりました。上位グレードやESCOT(12段AMT)搭載車はクオンの自社生産が続き、自社開発世代とギガOEM世代が混在しています。
Q. クオンはどの架装が高く売れますか?
A. クレーンが中央値559万円と最も高く、平アルミブロックは306万円でした。クレーン・ダンプ・高所作業車などの特装車は架装に価値があるため高値がつきやすいです。
Q. クオンはいつ売るのが得ですか?
A. 円安局面が有利です。中古車輸出は2025年に約171万台で過去最高、円安は輸出経由で買取価格を押し上げます。為替ニュース(1ドル150円超など)を売り時の判断材料に。
Q. 動かない・故障したクオンは買取対象ですか?
A. 対象です。部品取り・輸出前提で買い取る業者があり、レッカー無料なら自走不能でも引き取り可能。スクラップ費用を払う前に査定を。
まとめ
クオンは、日産ディーゼル→ボルボ→いすゞと親会社を渡り、 大型初の尿素SCR・ESCOT・全輪ディスクブレーキ で耐久に振ってきた技術志向の大型トラックです。2025年からは一部グレードがいすゞギガのOEMに切り替わり、自社開発世代と混在する過渡期にもあります。その素性ゆえに、中古166台の中央値は 462万円 (レンジ143万〜1,877万円・平均508万円)、 流通の約7割が走行50万km超でも値が残る という相場を作っています。だからこそクオンは、 自分の世代・グレードを正しく伝え・輸出ルートを持つ業者に・円安局面で・複数社比較で 売るのが鉄則。過走行や不動でも諦めず、まず無料査定で見積もりを比べてください。
なお、UDの中型(4t)をお持ちの場合はUDコンドルの買取相場を参照してください。大型のクオンとは相場構造が異なります。
同じ車格のトラック買取相場
同じ大型(10t)トラックの買取相場もあわせてご確認ください。
あわせて使う :相場シミュレーターで概算を出す/買取相場レポート2026(2,542台集計)
関連記事:トラック買取業者おすすめ比較/動かないトラックでも売れる?
出典・データについて
- 相場データ : truck-bank.net 掲載の中古UDクオン 166台分(取得日 2026-06-14)を相場ナビ編集部が独自集計。掲載価格であり買取保証額ではありません。
- UDトラックス クオンの来歴・技術 : 「UDトラックス クオン」「UDトラックス(沿革)」Wikipedia日本語版、UDトラックス公式情報、Car Watch ほか(2004年11月登場/大型初の尿素SCR採用/自社AMT「ESCOT」/2代目で国産大型初の全輪ディスクブレーキ標準化/日産ディーゼル→2010年UDトラックス→ボルボ取得→2021年4月いすゞ傘下/2025年春から単車系7速MT車など一部グレードがいすゞギガのOEMに切替)。
- 中古車・中古トラックの輸出動向 : 財務省貿易統計/JUMVEA(日本中古自動車輸出業協同組合)、JETRO「中東向け自動車輸出」(2025年の中古車輸出は約171万台で3年連続過去最高、トラック・バス仕向けでUAEが世界1位)。
- 過走行・不動車に値がつく仕組み : 各買取・輸出業者の公開情報、環境省 自動車リサイクル関連資料(中古部品の海外輸出網)。
- 買取目安レンジは掲載価格に一般的な買取係数(60〜80%)を乗じた編集部の推定で、実額は各業者の査定で決まります。データの収集・集計方法は相場データについてをご覧ください。

