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日立建機の油圧ショベル(ZAXIS/ZXシリーズ)を売るとき、いちばん誤解されやすいのが「年式が新しいほど高い」という思い込みです。相場ナビ編集部が中古建機流通サイトの掲載価格 48台分 を独自集計したところ、日立では 2024年より2023年のほうが中央値が高い という、一見すると逆転した結果が出ました。理由はあとで実データで説明しますが、結論から言えば日立の相場は 年式の見出し数字ではなく「型式クラス(ZXの数字=運転質量の目安)」で読む のが正解です。この記事は、その読み方を48台の実数で示します(データ取得日 2026-06-14・出典 mascus.jp。掲載価格は売り手の希望価格で、 買取相場はここから業者の利益分を引いた水準 が目安です)。
メーカーを問わないユンボ・油圧ショベル全般の相場観と売り方の基本は、建機・重機買取の相場と業者比較にまとめています。本記事は日立建機(ZAXIS)に特化した各論です。
まず押さえる、日立建機ならではの3つの事実(実データ48台)
| 区分 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 48台 | 141万円 | 260万円 | 800万円 |
この48台から読める、日立に固有の特徴は次の3点です。
- 流通の主役はZX60〜ZX130クラスの小〜中型 。今回のサンプルはZX55・ZX60・ZX70・ZX120・ZX130といった小〜中型が中心で、20t超の大型はごく一部。全体中央値 260万円 が大型主体の他メーカーより控えめに出るのは「日立が弱い」のではなく、 流通している母集団が小〜中型に寄っている ためです。
- 年式の中央値が逆転している 。後述のとおり2024年(168万円)<2023年(308万円)。新しさで下がったのではなく、その年に並んでいた型式クラスの違いが効いています。
- 稼働時間帯の中央値も素直に下がらない 。8,000h超帯の中央値が高めに出ますが、これは高稼働そのものの値ではなく、その帯に大型機が偏っているためです。
つまり日立のショベルは、 クラス(型式)をそろえてから相場を比べないと数字を読み違える メーカーです。中央値 260万円 は販売掲載価格の中央値なので、買取価格はこれより低く、 編集部試算で概ね 156万円〜208万円 が一つの目安です(年式・稼働時間・型式・状態で大きく変わります)。
年式別の相場と、「新しいほど高い」が崩れる理由
| 年式 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 9台 | 141万円 | 168万円 | 561万円 |
| 2023年 | 21台 | 142万円 | 308万円 | 769万円 |
| 2022年 | 4台 | 200万円 | 205万円 | 301万円 |
| 2018年 | 6台 | 191万円 | 205万円 | 500万円 |
2024年の中央値 168万円 に対し、1年古い2023年が 308万円 。この逆転は、2024年の掲載にZX55・ZX60クラスの 小型 が多く、2023年にZX120・ZX200クラスの 中型 が多く混ざっていることで説明できます(後述の掲載例を見ると、2023年側にZX120・ZX130・ZX350Hが並んでいます)。
ここから言えるのは、 日立では「年式の中央値どうし」を並べても自分の機体の手取りは見えない ということです。査定の見当をつけるなら、まず自分の型式クラス(次節)を確定し、 同じクラスの中で年式・稼働時間を比べる のが正しい手順になります。年式の見出し数字だけで「2024年だから高いはず/2018年だから安いはず」と決めつけると、数十万円単位で見誤ります。
稼働時間(アワーメーター)別の相場と、その読み方
建機は走行距離ではなく 稼働時間(アワーメーター) が価値の核です。ただし日立の今回データは、稼働時間も素直な右肩下がりにはなっていません。
| 稼働時間 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| 〜2,000h | 33台 | 141万円 | 264万円 | 769万円 |
| 2,000〜5,000h | 6台 | 205万円 | 240万円 | 352万円 |
| 8,000h〜 | 3台 | 500万円 | 650万円 | 800万円 |
8,000h超帯の中央値 650万円 は、2,000h未満帯の 264万円 より高く出ています。これは「高稼働ほど高い」のではなく、 8,000h超の3台がいずれも大型クラスの機体 で、機体価格そのものが大きいためです(サンプルも3台と少数)。
実態に近い読み方は次のとおりです。 同じ型式クラスの中では、稼働時間が少ないほど有利 。一方で、高稼働や大型であっても海外輸出の需要があるため、 「もう時間が回っているから値がつかない」と諦めて手放すのは早い 。建機は輸出主導の産業で、日本建設機械工業会(建機工)の統計では 油圧ショベルは出荷額のおよそ4分の3(約76%)が輸出向け です。稼働の進んだ日立機でも、輸出・部品取りの販路を持つ業者なら値が残ることがあります。
日立建機というメーカー——世界売上の約8割を海外で稼ぐ建機大手
日立建機は1970年設立の建設機械メーカーで、油圧ショベル・ホイールローダ・ミニショベルから鉱山向けの超大型機・ダンプトラックまでを手がけます。もともと日立製作所グループでしたが、 2022年に日立製作所が保有株の大半を譲渡し、現在は日本産業パートナーズ(JIP)と伊藤忠商事が共同出資する会社が筆頭株主 です(日立製作所も引き続き主要株主で、日立ブランドと部品取引は継続)。海外売上比率は約8割に達し、 世界の建設・鉱山現場で使われるブランド であることが、中古の輸出需要の土台になっています。
中古市場で日立機の評価を支える固有の強みが、独自の省エネ油圧システム TRIAS(トライアス) です。3つの油圧ポンプで圧油を無駄なく配分する「3ポンプ・3コントロールバルブ方式」で、複合操作の操作性を保ちつつ燃費を高める技術(特許庁長官賞を受賞)。現行のZAXIS-7シリーズの中型機は最新版 TRIAS Ⅲ を、ZX120-7などは油圧システム HIOS-V を搭載します。低燃費・高耐久という新車時の評価が、そのまま中古の値持ちに効くのが日立の特徴です。
型式別の相場と、ZAXISの「数字=運転質量」の読み方
日立のZAXIS(ZX)シリーズは、 型式の数字がおおむね運転質量(トン)の目安 になっています。ZX60なら約6t、ZX70なら約7t、ZX120なら約12t、ZX200なら約20t、ZX350なら約35tクラス、という具合です。自分の機体の数字を見れば、上の年式表・稼働時間表のどのクラスに属するかが判断でき、相場の当たりがつけやすくなります。
さらに、 型式のハイフンより後の数字は「世代」 を表します。ZX200-7 の「-7」が現行世代、「-6」がその前の世代、というように、数字が大きいほど新しい世代です(-3・-5・-6・-7 のように飛びがあります)。末尾のアルファベットも仕様を示し、 US=後方超小旋回・USR=後方小旋回・LC=ロングクローラー・K=解体仕様・X=ICT対応機 です。「ZX75US-7」なら〈7.5t級・後方超小旋回・現行世代〉と読めます。査定の電話では、この 型式プレートの表記をハイフン・末尾記号までそのまま伝える と概算の精度が上がります。数字(クラス)だけでなく世代・仕様まで価格に効くためです。
| 型式 | サンプル数 | 最安 | 中央値 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| ZX 60 | 3台 | 141万円 | 142万円 | 154万円 |
| ZX60 | 3台 | 141万円 | 166万円 | 200万円 |
| ZX70 | 4台 | 163万円 | 166万円 | 256万円 |
| ZX 70 | 3台 | 168万円 | 200万円 | 244万円 |
| ZX 200 | 4台 | 304万円 | 308万円 | 385万円 |
※「ZX 60」「ZX60」のように同じ型式が表記ゆれで分かれているのは、掲載元の記載差をそのまま集計しているためです。実質は同クラスとして読んでください。小型のZX60〜ZX70は中央値 142万〜200万円 前後、20t級のZX200は中央値 308万円 と、 クラスが上がるほど明確に価格帯が上 に来ます。
日立のブランド固有の強みは、 低燃費・省エネ(TRIAS油圧システム系)と耐久性への評価 です。新車時の信頼性評価が中古評価に引き継がれやすく、 整備履歴・点検記録が明確な個体ほど値持ちが良い 傾向があります。査定の場では「ZAXISの○○クラス・整備記録あり」と自分のクラスと状態を具体的に示せると、相場の根拠を共有しやすくなります。
実際の掲載例(中古日立ZAXISショベル)
価格帯の異なる実例を抜粋しました(mascus.jp・取得日2026-06-14)。クラス(数字)と稼働時間で価格帯が分かれているのが読み取れます。
| 型式 | 年式 | 稼働時間 | 掲載価格 |
|---|---|---|---|
| ZX 55 | 2024年 | 1,123h | 157万円 |
| ZX 120 | 2022年 | 3,258h | 205万円 |
| ZX 130 | 2023年 | 828h | 264万円 |
| ZX120 | 2023年 | 1,580h | 328万円 |
| ZX 350 H | 2023年 | 1,102h | 521万円 |
2024年のZX55(小型)が157万円、2023年のZX350H(大型)が521万円。同じ「2023〜2024年」でも、 クラスが違えば3倍以上の差 が出ます。年式別表で2024年の中央値が低かった理由が、ここに具体的に表れています。
日立建機を高く売るときの要点(固有の3点)
全建機に共通する基礎(掲載価格と買取価格の差・売却の流れ・必要書類・買取と廃車の損得など)は、ピラー記事 建機・重機買取の相場と業者比較 に一度だけまとめています。ここでは日立に固有の要点だけを挙げます。
- 自分の型式クラスを先に確定する 。ZXの数字=運転質量の目安。同クラスの相場と比べてから査定に出すと、年式逆転に惑わされません。
- 整備履歴・点検記録を揃える 。日立は信頼性評価が中古評価に直結しやすく、記録が明確な個体ほど査定が伸びやすい傾向です。低燃費(TRIAS系)も訴求材料になります。
- 輸出ルートを持つ業者を含めて相見積もり 。高稼働・大型でも海外需要で値が残ることがあるため、国内基準だけで「過走行=安い」と判断する業者に出すと取りこぼしの恐れがあります。
よくある質問
Q. 日立建機の油圧ショベル(ユンボ)の買取相場はいくらですか?
A. 2026年6月時点の中古流通価格(mascus.jp掲載 48台)では中央値が約260万円、レンジは約141万円〜800万円でした。ただし日立はZX60〜ZX130クラスの小〜中型が流通の中心で、型式クラスで価格帯が分かれます。買取目安は掲載価格から業者利益を引いた水準で、編集部試算では概ね156万円〜208万円前後です(年式・稼働時間・型式・状態で変動)。
Q. 新しい年式ほど高く売れますか?データでは2024年より2023年が高いのはなぜ?
A. 今回の48台では2024年の中央値(約168万円)が2023年(約308万円)より低く出ています。新しいほど安いという意味ではなく、2024年の掲載にZX55・ZX60クラスの小型が多く、2023年にZX120・ZX200クラスの中型が多いという「どのクラスが並んでいたか」の差です。年式の見出し数字どうしではなく、必ず自分と同じ型式クラスの中で比べてください。
Q. 日立のZX200やZX70は値持ちしますか?
A. ZX200クラス(約20t級)は今回データで中央値が約308万円と日立の中では高位で、現場の定番として国内需要が安定しています。ZX60〜ZX70の小型は中央値142万〜200万円前後で流通量が多く、売りやすいゾーンです。ZAXISは型式の数字が運転質量の目安に近く、自分のクラスがどこに当たるかで価格帯が読めます。整備履歴が明確な個体ほど査定が伸びやすい傾向があります。
Q. 稼働時間が多い日立建機のショベルでも売れますか?
A. 売れる可能性があります。建機は海外輸出の需要があり、稼働時間が多くても部品取り・再生目的で値がつくことがあります。今回データでは8,000h超帯の中央値が高めに出ていますが、これは高稼働=高いのではなく、その帯に大型クラスの機体が集まっているためです。読み方としては「同じ型式クラスの中では稼働時間が少ないほど有利、ただし高稼働の大型でも輸出で値が残ることがある」が実態に近いです。
Q. ZAXISの型式(ZX200-7など)はどう読めばいいですか?
A. 「ZX」の後の数字がクラス(運転質量の目安。ZX200=約20t級)、ハイフン後の数字が世代(-7が現行、-6が前世代)、末尾のUS=後方超小旋回・LC=ロングクローラー・K=解体仕様・X=ICT対応です。査定では型式プレートの表記を末尾記号までそのまま伝えると概算が正確になります。
Q. 日立建機のショベルを高く売るには?
A. 自分の型式クラス(ZXの数字≒運転質量)を把握し、同クラスの相場と比べたうえで複数の専門業者に相見積もりを取るのが効果的です。重機買取専門店は中間マージンを省けるため査定額が伸びやすく、輸出ルートを持つ業者は高稼働・大型でも評価できます。日立は整備履歴・点検記録がそろっている個体ほど評価が伸びやすく、低燃費(TRIAS系)の訴求も買い手に届きます。
まとめ
2026年6月時点の日立ZAXISの中古油圧ショベル相場は中央値 260万円 (レンジ 141万円〜800万円・48台集計)。買取目安は 156万円〜208万円 ですが、日立は 年式の見出しではなく型式クラス(ZXの数字=運転質量の目安)で読む のが要点です。2024年<2023年の逆転も、8,000h帯の高めの中央値も、母集団のクラス構成で説明できます。自分のクラスを確定し、同クラスの相場と比べたうえで、輸出ルートを持つ業者を含めて複数社の無料査定を取ってください。
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出典・編集方針(E-E-A-T)
- 相場の一次データ : 本記事の年式・稼働時間・型式・掲載例の数値は、mascus.jp に掲載された中古日立建機油圧ショベルの販売価格 48台分 (取得日 2026-06-14・国内中古のみ、輸出向け・応相談を除く)を相場ナビ編集部が独自集計したものです。掲載価格であり買取保証額ではありません。買取目安は販売価格に一般的な買取係数(60〜80%)を乗じた推定で、断定額ではありません。集計方法は 相場データについて をご覧ください。
- 「建機は輸出が相場を下支えする」の根拠 : 日本建設機械工業会(建機工)の建設機械出荷金額統計(2025年11月度)で、油圧ショベルは内需241億円に対し外需(輸出)752億円= 輸出比率約76% です。日立建機自身の海外売上比率も約8割(2021年度)。これらは業界・全社の数字であり中古輸出の企業別シェアではありませんが、「高稼働・古い・大型でも海外需要で値が残ることがある」という傾向の根拠として引用しています。
- 会社情報・TRIAS・型式体系 : 日立建機公式(会社概要・ZAXIS-7シリーズのプレスリリース・TRIAS受賞リリース)。資本関係は2022年8月23日付の適時開示に基づく。US/USR/LC/K/X・世代番号(-7が現行)・TRIAS Ⅲ/HIOS-Vは公式リリースで確認。
- ZAXIS(ZX)型式の読み方 : ZXの数字が運転質量(トン)の目安に対応するという記述は、機体クラスを把握するための一般的な目安であり、個体の正確な運転質量・仕様はメーカー諸元・銘板で確認してください。TRIAS油圧システム・低燃費・耐久性に関する記述はブランドの一般的な評価傾向に基づく定性的なものです。
- 編集スタンス : 相場ナビは「確実に高く売れる」といった断定はせず、実データに基づくレンジと、誤読しやすいポイント(年式逆転・稼働時間帯の偏り)の正しい読み方を提示することを方針としています。価格は必ずレンジで示し、最終額は機体ごとの査定で確認することを推奨します。

